脳ミソ

脳に関する病で一番気になるのが、後遺症ではないでしょうか!

身体的・言語・記憶力・事故存在感など後遺症は痛ましい結果をもたらすことが多いですよね。

脳の動脈に何らかの障害が発生し、脳の機能が失われて全身に影響を与える状態を脳卒中(脳血管疾患)とよびます。

脳の血管が詰まるタイプ(脳梗塞)

脳の血管が破れるタイプ(脳出血・くも膜下出血)に大きく分類されます。

お怒りの安部さんお怒りの安部さん

家のおじいちゃん最近喋り方が少し変なのよ、
心配だから病院に行ってて言うだけど、チットも言う事を聞いてくれないのよ
病気じゃなければいいんだけど


女医の渡邊です女医の渡邊です

ご心配ですね、
具体的な症状とか、治療法など今からお話しさせて頂きます

脳卒中(脳血管疾患)/脳に係わる病気

具体的には、脳の血管が破れるか詰まるかして、脳に血液が届かなくなり、脳の神経細胞が破壊され、細胞が死んでしまう病気です。

急に倒れて意識がなくなったり、半身のまひが起きたり、ろれつが回らなくなったりする発作が起きる病気で、

早期(発症して4~5時間以内が目安とされています)に治療を開始すると後遺症が残るものの、軽度で済むこともあり、

緊急性の高い病気とされています。』

原因によって
  • (1)脳梗塞(脳の血管が詰まる)
  • (2)脳出血(血管が破れる)、
  • (3)くも膜下出血(動脈瘤が破れる)、
  • (4)一過性脳虚血発作(TIA)(脳梗塞の症状が短時間で消失する)

これら4つに分類されます。

【脳梗塞】

脳動脈の閉塞(へいそく)・狭窄(きょうさく)に伴って

神経細胞に血液が十分に供給されなくなり、神経細胞が脅かされます。

病態により
  • 「ラクナ梗塞」
  • 「アテローム血栓性脳梗塞」
  • 「心原性脳塞栓」

これら3つの病型に分けられます。

「ラクナ梗塞」
本来、直径1.5cm以下の小さな梗塞を意味する

中大脳動脈や後大脳動脈の穿通枝が硝子変性を起こして閉塞する、片麻痺や感覚麻痺・同名半盲などの症状が現れることもある。

後大脳動脈穿通枝の梗塞では、ウェーバー症候群やベネディクト症候群(赤核症候群)を起こすことがあり、リスクファクターは高血圧。症状は片麻痺や構音障害などであるが、軽度または限定されたものであることが多く、まったく無症状であることも多い。

「アテローム血栓性脳梗塞」は血栓症の範疇範疇(はんちゅう)に入り、細い血管の動脈硬化によるものをラクナ梗塞、太い血管の動脈硬化によるものをアテローム梗塞と言います。

心原性脳塞栓症は心臓内にできた血栓などの異物が血液の流れにのって脳に届き、脳動脈をつめて起こります。

突然大きな血管が閉塞することが多く、3つの病型のなかでは最も急激に症状が現れ、重症であることが多いと報告されています。

【脳出血】

脳動脈が破れ、あふれでた血液が神経細胞を障害することで、症状が出現します。

細い血管(細小動脈)がおもに高血圧に由来する動脈硬化で細い血管が脆脆(もろ)くなり、

破綻する危険性があります。

細小動脈は脳内の細部に入り込んでいるため、出血は脳内の広範囲にまで広がります。

【くも膜下出血】

脳動脈の破れにより症状が出現しますが、破れる血管は脳の表面を走る主幹脳動脈で、

血管の一部が瘤状(こぶじょう)に膨れた脳動脈瘤(のうどうみゃくりゅう)が破裂した状態です。

動脈瘤が破裂すると、脳の表面を覆うくも膜という薄い膜の内側に出血がおこります。

くも膜下出血は脳卒中の中では死亡率が高く、重症な病態です。

【一過性脳虚血発作】

脳梗塞と同じ機序で起こった神経症状が24時間以内に消失する状態をいいます。

ほとんどの場合は1時間以内に症状が消失しますし、数分間の発作で済んでしまう場合も少なくありません。

一過性脳虚血発作脳虚血発作(いっかせい、のう、きょけつほっさ)は脳梗塞の前触れ発作として重要ですが、

見逃されるケ―スも多く、治療を行わず放置すると脳梗塞を引き起こす可能性が、非常に高くなります。

脳梗塞を起こす前に適切な治療を開始すると、脳梗塞を予防できる可能性が高まり、以後の生活で後遺症に悩まされることが回避されます。

 脳卒中の症状

脳は部位ごとにつかさどる機能が様々で、脳卒中ではつかさどる破壊された部位により、様々な症状が現れます。

脳卒中を疑う5つの典型的症状!
  • 片方の手足・顔半分の麻痺・しびれが起こる(手足のみ、顔のみの場合もあります)
  • ろれつが回らない、言葉がでない、他人の言うことが理解できない
  • 力はあるのに、立てない、歩けない、フラフラする片方の目が見えない、
  • 物が二つに見える、視野の半分が欠ける 片方の目にカーテンがかかったように、突然一時的に見えなくなる
  • 経験したことのない激しい頭痛がする

重症な時には意識がなくなることもあります

こうした症状のうち、1つだけが出現することもありますし、いくつかの症状が重複する場合もあり注意が必要です。

もし、ご自分や周囲の人にこのような症状がみられましたら、一刻も早く救急搬送して専門医を受診してください。

最近では、より簡潔に、3つの症状を取り上げたFASTという標語も良く使われます。

脳卒中を疑う人を見たら、3つのテストをするように勧めており、その頭文字を取ってFASTと読んでいます。

  1. Faca(顔の麻痺)
  2. Arm(腕の麻痺)
  3. Speech(言葉の麻痺)

3. 脳卒中を疑ったら

救急車

可能なかぎり早く病院を受診しましょう。なるべく早く診断をつけ、治療を開始することで、後遺症が軽くなる可能性が高くなります。

脳梗塞では、発症してから、4.5時間以内、

8時間以内の患者さんのみに行える特殊な治療があります

治療を開始するには検査が必要ですが、約1時間程度かかります。

症状が出現してから遅くても2時間以内を目安に、速やかに受診しましょう。

脳卒中が疑われる場合には、脳への血流を保つために、横にすることが原則です。

意識がない時には、楽に呼吸ができ、吐いたものが喉につまらないよう、側臥位(そくがい)にして、直ちに119番に電話し、救急車を呼びましょう。

4.病院での検査、治療

問診、診察、採血、心電図、胸部レントゲン、頭部CT、頭部MRI、頸動脈(けいどうみゃく)エコー、心エコー検査などが有効な検査。

  1. 点滴・内服治療がメインになりますが、病態に応じて、
  2. 脳梗塞の症状増悪や再発を予防するため「抗血栓薬」
  3. 神経細胞を保護し、傷むのを遅らせる「脳保護薬」
  4. 頭のむくみを改善させる「抗脳浮腫薬」

などを点滴し、血圧、体温、脈拍などの全身状態の管理も行います。

薬物療法 理学療法

脳梗塞急性期

(4.5時間以内、8時間以内)のみに施行される治療

下記に示すt-PAという点滴や、血管内治療などが行われます。

これらの治療を受けるには、治療効果を見込む厳密な適応基準が決められています。

発症早期に来院されても、これらの治療の適応とならない場合には、従来通りの点滴・内服治療を行うことになります。

t-PA
組織型プラスミノゲン・アクティベーターという薬を点滴して、血栓を溶かし、脳血流を再開させます。

t-PAを使用すると、
3ヶ月後に自立した生活を送れる患者さんが、使用しなかった時と比べて50%増加したとの報告がなされています。

脳梗塞により脳神経細胞が死にいたる経過は早く、適切なタイミングを逃してt-PAを使用すると、

逆に出血などの合併症で症状が悪くなる危険も報告されており、発症してからの時間がカギです。

脳梗塞の治療 超急性期脳梗塞に対するt-PAの効果

血管内治療

脳血管に詰まった血栓をカテーテルを用いて、摘出する治療です。

閉塞している血栓を、メルシーリトリーバーというコイルに絡(から)めて摘出したり、ペナンブラシステムという吸引器を用いて吸引します。

発症してから8時間以内に治療が開始できる患者さんのみが、治療の対象となります。

メルシーリトリーバーを用いた治療、ペナンブラシステムを用いた治療は新しい治療法です。

脳卒中の予防は毎日の食事から見直しましょう。特にご高齢のみなさんは薬より、食事から。

5. 脳卒中の予防

脳卒中の5大危険因子
  • 高血圧:
  • 糖尿病:
  • 脂質異常症:
  • 不整脈(心房細動)
  • 喫煙:

高血圧:

血圧が『上が140:下が90』以上のことです。この数値以下でも、数値が高めの人は注意が必要です。

脳の血管の大きな負担となり、動脈がもろくなり、詰まったり、破れたりしやすくなります。

塩分を多く摂るほど高くなりますので、食事の塩分を極力少なくしてください。

血圧のお薬は、ある程度の期間呑みつづけることが肝要です。

糖尿病:

近年の食生活の欧米化により患者さんが増えています。

摂取カロリーを低く抑える必要があります。

食事は1日3回バランス良く食べ、間食や油料理を減らし体重のコントロールを行ってください。

脂質異常症:

特に悪玉のLDLコレステロールが高い人は、脂肪の摂取を制限する努力が必要です。

油料理を減らし、豆類、芋類、海草、キノコ、根菜類などコレステロールを下げる食べ物を多く摂取しましょう。

不整脈(心房細動)

心臓の中にできた血栓が、心臓から脳に飛ぶことで脳の動脈を閉塞させます。

ワルファリンなどの抗凝固薬を用いることで血栓が作られなくなり、脳梗塞を予防することが可能です。

喫煙:

ニコチンが血圧を上昇させたり、動脈硬化を促進すると言われています。百害あって一利なしです。

そのほか、男性、高齢者、肥満、過度の飲酒、運動不足などが脳卒中の危険因子としてあげられます。

治療の基本は規則正しい生活を送り適度な運動を行う生活習慣の改善と、食事療法です。

食事療法によっても十分な改善が見られないときには、降圧薬、血糖降下薬、脂質低下薬などの薬物療法を併用する必要があります。

脳卒中発作を起こした人の再発率は、年間5-10%程度とかなり高いことが解明されています。

再発の危険性を考え、主治医の先生から処方された薬の内服を継続する事が大切です。

<脳卒中の予防が重要な理由>

脳卒中は日本人の死因の第3位を占めていること

死の危機を脱しても、しばしば重篤な後遺症が残るケースが多い現状

寝たきり等、要介護者の原因の3割以上を脳卒中が占めています

高齢化とともに、患者数が増加化傾向を示しています

国民医療費の1割を占めていて、脳卒中は社会的負荷の最も重い疾患です

脳卒中の予防は毎日の食事から見直しましょう。特にご高齢のみなさんは薬より、食事から。

まとめ

脳卒中の症状がでたら早急な治療は当然ですが、脳にダメージを与えない常日頃の食生活が大切です。

現代社会ストレスが溜まり、不規則な睡眠・夜間の飲食など体に負担をかけるばかりです。

内蔵機能は黙って24時間働いてくれることをいいことに、無理をさせていませんか!

血流が悪くなれば、臓器もストライキをおこしますよ。ご自身の体からストライキを起こされないように,いたわり・いつくしむ習慣を身に付けてください。

所詮苦しむのは、あなたご自身なのですから。人間の体は正直にできていますよ。

皆様の健康を心よりお祈りしております。