近年の葬式の傾向としては、一般的にはよりシンプルで個人的なものになっているとされています。それぞれの家族や友人が、故人との思い出や関係性を表現するために、花や写真、音楽などを用いて個性的なセレモニーを行うことが多くなっています。
また、環境に配慮したエコな葬儀が増えてきています。例えば、緑化墓地や海洋散骨、木製の棺を使用したものなどです。
さらに、コロナウイルスの影響もあり、葬儀の形態が変わってきています。遠方に住む家族や友人がオンラインで参列する「オンライン葬儀」が増加しています。
一方で、宗教的な要素を重視した葬儀もまだ根強く残っており、宗教法人が主催する葬儀も行われています。規模の大きい葬儀では、プロの司会者や音楽家、フラワーアーティストを招いて、より豪華なものにするケースもあります。
総じて、葬儀は個人的なものであり、故人の人生や人格を反映するものとなっています。
規模の大きい葬式は好まれなくなってきた
以前の葬式は大きな葬式、規模の大きな葬式が好まれる傾向にありました。しかし、これは2000年頃までのお話。
一般的に、規模の大きい葬式は減少傾向にあります。これは、個人的な葬式やエコな葬式、そしてコロナウイルスの影響などが要因となっています。
規模の大きい葬式は、多くの人が参列することが想定されるため、開催するためのコストや手間がかかります。また、遺族が喪失感を感じている中で、葬式の準備に追われることもストレスを増幅させる可能性があります。
一方で、近年の葬儀の傾向として、個人的な葬式が増加しており、故人や遺族の希望に合わせたセレモニーが行われるようになっています。また、エコな葬式も増えてきているため、規模が小さくても、より環境に配慮したセレモニーが行われるようになっています。
ただし、規模の大きい葬式が完全になくなったわけではありません。一部の宗教や地域においては、規模の大きな葬式が行われることもあります。また、遺族が葬儀にこだわりを持っている場合や、故人が社会的に知られた人物であった場合には、規模の大きな葬式が行われることもあります。
家族だけで弔うことも多くなった
新型コロナ感染症の影響で葬儀ができなくなった期間もあり、葬儀への考え方もかわってきました。考え方の多様性により誰のための葬儀か?という点を重要視する人も多くなってきたのです。
それ以外にもこのような理由があります。
- 遺言により、故人が葬式を望まなかった場合。
- 宗教上、葬式を行わないことが求められる場合。例えば、ユダヤ教やイスラム教では、葬儀は簡素なもので、即時に行われます。
- 家族や親族がいない、または遺族がいても費用や手間の問題で葬式を行わない場合。
- 故人が匿名希望を明示していた場合。
- 葬儀社の都合で、葬儀を行わない場合。例えば、火葬炉の点検・修理などによって葬儀が行えない場合があります。
ただし、葬式を行わない場合でも、故人を尊重するために、遺体の適切な扱いや通夜・告別式などの代替イベントが行われる場合もあります。また、故人の意向や家族の事情によって、葬儀を行わないことが適切でない場合もあります。
誰のための葬式なのかが重要になってきた
人間関係の希薄化が進む現代社会では、葬式に参列する人が減ることがあります。しかし、それでも葬式は故人を偲び、遺族にとっては心の拠り所となる重要なイベントです。
そのため、葬式を行うことが望ましいとされます。
もしも、人が来ないという懸念がある場合は、以下のような対策もあります。
- 適切な告知を行う。葬儀の日時や場所、参列に関する情報を適切に周知し、招待状を送付することで、参列者を増やすことができます。
- 参列を呼びかける人を増やす。故人や遺族の友人や知人、地域の人々など、葬儀に参列してくれる可能性のある人を広く呼びかけることで、参列者を増やすことができます。
- 告別式の内容を工夫する。告別式の内容やプログラムを工夫することで、参列者に感動を与えることができます。例えば、故人の思い出話や写真展示など、参列者に思い出を共有する機会を与えることで、参列者の共感を呼び起こすことができます。
- オンラインでの配信を検討する。現在では、オンライン上で葬儀を配信することも可能です。参列が難しい人に向けて、オンライン上で葬儀を見ることができるようにすることで、参列者を増やすことができます。
これらの対策を行うことで、参列者が減ってしまうという問題を解決することができます。しかし、人間関係の希薄化が進む現代社会では、参列者を増やすことが難しい場合もあります。そのような場合は、少人数でも故人を偲び、遺族が心の拠り所となるような葬儀を行うことが大切です。
結婚式と違い、告知から葬儀までの期間が短いことも多い葬儀では近しい人しか参列しない傾向があります。例えば親族、会社関係、地域関係、友人などですよね。
そのため、誰のための葬儀なのか考えることが重要になっていると考えた方が良いでしょう。