もう珍しく無くなりつつある直葬を考えるうえで、悔いの残らない選択をして頂くために焦点を合わせお話を進めていきます。

直葬することでの利点とすれば、時間的、金銭的、親戚、知人等への負担の軽減でしょう。

しかしどこの葬儀屋さんに頼んでも同じ!そうはいかないのがこの業界、お葬式を直葬で行うときの注意点を皆様と一緒に考えていきます。

直葬の知識。

直葬の考え方。
費用の概要。
葬儀屋さんの選び方。

直葬であなたは、満足できますか!

昭和の時代から平成にかけて、お葬式は皆が協力して故人を見送るものとの概念がありました。その結果としてお香典を頂きその半値を気持ちとしてお返しする。

しかし人々は、リーマンショック後、人生設計の難しさや将来不安が圧し掛かり、また友人葬や家族葬が主流に為りつつあるこんにち、直葬の価値が見直され徐々にではありますがその頻度が増しております。

正直、直葬と云うと生活保護を受給されている方々の葬儀の仕方のイメージが強かったのですが、最近インターネットの普及で生活保護で支給される金額より低価格な金額で行うサイトが増えてきました。

鈴木さん鈴木さん

生活保護者には幾らぐらいお金が支給されているの?


松本さん松本さん

生活保護を受給されている世帯には、市区町村により多少の金額の差はありますが、約葬儀付与費として20万前後の金額が支給されているようです。


このような金額ですが、誠実に葬儀に取組む業者さんもいる反面、粗雑に取り扱う業者さんも残念ながら存在しております。これは会社としての取組み方の違いであると感じています。

故人にとっては、生涯に一度の経験なのに、粗雑な業者に巡り合っては後悔してもしきれませんよね、低価格な葬儀だからこそ慎重に業者選びが大切になります。

知人や親せきへの面子!

葬儀費用
直葬は直接葬儀の訳でもあり火葬場へ直行の意味でもあり、即ちお通夜や告別式を一切省略して葬儀を終えることです。

今までの概念で言うと、葬儀の事、何も分からないながらもお金を掛けて、親戚、知人を集めて通夜式・告別式を行い、故人を見送る事が当然と思っていませんでしたか。

では通夜式・告別式はなぜ必要なのでしょうか?一般世間の人が皆行うから?故人が成仏できないから?世間に対して恥ずかしいから?世間の常識だから?このような理由を挙げればキリがないほどあると思います。

しかしいかに時代の変化が生じても、普遍の真意は故人との別れに悲しみ、苦しみ、淋しさを禁じ得ず、思い出にしたり、故人に感謝を送り、時の流れに身を委ね徐々に別れの痛みを和らげる行為と考えていいでしょう。

全ての人が満足することは不可能でしょう、しかし大切なのは故人を最も近くで見送るあなた様のお気持ちです。人それぞれに考え方の違いがあるように受け止め方も千差万別でしょう、喪主になるであろうあなたが、故人との別れをやわらげ、心の納得できる方法であれば、その選択は間違いないという事です。

私は直葬を推奨している訳ではありません、あなた様が納得できる葬儀の方法を自らの考えで選択して下さいとお願いしているのです。

そこで、もしも直葬を選択された方が、悔いを残す葬儀にだけはして頂きたくない為お話をさせて戴いております。

直葬での費用

火葬式生活保護世帯には、福祉事務所より約20万円前後の葬儀付与費が支給されていますが、サイトでは直葬で行う金額として、10万円以下の金額から20万円前後金額が示されています。この金額の差は一体何なんでしょうか。『葬儀の物品単価は統一されている訳ではありません』

分かり易く言いますと、地域により火葬料の金額が違う事、葬儀内容が違う事、葬儀社の単価の付け方の違い、付帯品も含めた価格の提示もありますので、表にして示します。

火葬する必要事項内容
火葬費全国火葬場一覧表をご覧ください
柩(お棺)6万円前後
搬送必要に応じた回数
腐敗防止霊安室・ドライアイス
お骨容器1万円前後
役所手続き本籍・現住所・火葬場所在地
葬儀社と打合せ葬儀内容を決める、立会い

上記の7項目が整えば直葬の準備が可能ですが、遺族の於かれた環境で費用が異なります。

AさんとBさんの費用を比較してみましょう

  1. さん 都内在住で両親の近くに住み、所帯を持つ3人家族、父親が都内の病院で死去、一旦母の住む自宅に戻り、火葬場を町屋斎場に決める、参列者約4人。
  2. さん 埼玉県川越市に両親と同居の独身、父親が県内の病院で死去、一旦家に帰り,告別式を火葬場の式場で行う、火葬場は川越斎場で、参列者約20人。
Aさんの直葬項目Bさんの直葬
【 搬 送 】
規定10キロ以内      15,000円病院~自宅走行距離35㌔ 25,000円
   仝         15,000円自宅~火葬場規定10キロ以内  15,000円
町屋斎場 59,000円+11,000円火葬料+待合室川越斎場   0円+2,000 円
             60,000円柩(白の布棺)       60,000円
             10,000円ドライアイス(10㌔)       10,000円
            13,970円遺骨容器(白磁・白覆い)       10,000円
                   ―式場第四式場   15,000円
               0円役所手続き          0円
           30,000円葬儀社の人件費(2日)       30,000円
    ¥213,970円 合 計 金 額   ¥167,000円

Bさんの場合、告別式を行ったにも拘らず、請求金額が安く済みました。上記に掲げたのは葬儀社の違いによるものではなく、各々の条件と地域格差の問題です。

ここに示した金額は、常識的な金額ですが、各葬儀社さんにより無条件のように付帯物品を付けたり、超過料金や別途料金を請求する場合がございます。

そうしたものは、あくまでご遺族の要望によるものでなければいけません、超過料金は上の項目に関するものだけです。『寝台車の使用回数・火葬までの時間の問題で生じるドライアイスの使用量』

葬儀打合せのなかで、遺影写真は、自宅での枕飾りは、ご僧侶は、後飾りは、多少のお花はなどです、必要と感じれば依頼されればよいのです。

でも当日の打合せ本番で正しい判断ができますか?私の永い経験で感じることは、どこのご遺族も混乱のなか頭のなかはパニック状態です。決して落ち着いた判断は望めないと思います。

だからこそ事前に、落ち着いた状態の時に資料を含め、相対見積を取ることが重要なんです。

費用も掛かりませんし、手間もかかりませんので、よき葬儀社に巡り合うために努力してください。

葬儀社選びのコツ

見積書

資料を請求されますと、各葬儀社の担当者から連絡が参りますので、見栄を張らず、また卑屈にならずに正直な気持ちで見積もりを依頼しましょう。

あなた様の条件で見積もりを作成してもらえるはずです。また担当者との会話の中で信頼できるなとか誠実だなと感じた業者に絞り込めばよいでしょう。

担当者が会社よりだなとか、話に巾がないなとか、雑だななどと感じたらその業者は排除しましょう。あなたと担当者が、馬が合う合わないかは葬儀にとって大切な要素です。

他人にとって良くても、あなたにとって良くなければ何にもなりません。

安部さん安部さん

お隣のお家のおじいさんのお葬式A社に頼んだんでしょ、対応も内容も良かったみたいだけど、値段が高かったみたいよ。
Bの葬儀屋さんだとパッパと決めて値段が安かったみたいよ。どうせ直葬だもの安いに越した事ないわよね

ここで再度申し上げます、どの様な葬儀にしたいか、費用に重点を置くのか、内容に重点を置くのか、満足度に重点を置くのか?全てあなた様の判断です。

その判断に従い葬儀社を選択して下さい。葬儀の内容が大きいとか、小さいとかではありません。どんな葬儀でも信頼を置ける誠実な業者を選択されることです。

あなた様が気に入った業者でも、隣の人は違う感じ方をするものです。万人に合う業者などいないと思ってください。

だからこそ複数の業者の資料を請求して内容の判断、人柄の判断をして下さい。キット眼鏡にかなう葬儀社が見つかりますよ。

同じ内容なら少しでも安い方がよいし、同じ金額なら内容の良い方がいいに決まってます。選択できるように何社か資料の請求先をご提示しますので、上記の記事、直葬での費用を参考に見比べて尚且つ話してみてください。

火葬式についても参考にされますかたはこちらへ

家族葬の内容を検討されている方はこちらへ

事前に資料を取寄せる意味 まとめ

理解することができた

葬儀アドバイザー 佐々木葬儀アドバイザー 佐々木

実際、約40年以上葬儀業界に携わってきたからこそ分かる葬儀業界の表と裏
申しあげたいことは、内容を知らない方達には何とでも言い訳がきくという事で、打合せの現場や施工現場で緊張するのは、葬儀に詳しい人が存在するときです。
また逆に詳しい人がいると喜びにもなります、それは細部に亘り努力した内容を理解して頂けるからであります

全く経験がなく葬儀の内容を理解していない喪主様には、葬儀社として教えてあげるとの態度に陥りがちですが、詳しい人がいるとその都度お伺いを立てる雰囲気になります。

事前に葬儀内容を理解した人が損することはありません。また理解することで思わぬ提案もできるようになります。

葬儀の打合せので、葬儀社の言い成りになってはいけません。それでは教えを乞うことになります。

葬儀社との打ち合わせとは、相談話し合いです、こちらに事前の知識が無ければ、単価を安くしてくれとの値引き交渉しかできません。

単価の値引きは一切必要ありません、正当な値段で理に適った施工をして頂ければよいのです。

そうした話し合いの前提にはお互いの信頼関係の構築が必要になります。

失敗しない葬儀のためにも事前の情報収集が大切です。