恥をかく

人生行動をおこすとき、必ずと言っていいほどのマナーが問われます。マナーとは国や地域によって伝統文化の継承がなされ培われた風習が作法として受け継がれてきたものでしょう。

簡単に言うと常識的と判断されますが、常識・非常識の基準は時代・地域により受けとめられ方は著しい変化をもたらすものです。

こちらの記事では危篤から出棺までの流れとマナーを時系列で説明しています。文中には葬儀屋が全て行うものも含まれていますが、葬儀の一連の流れと感じていただければと思います。

危篤から葬儀式前まで

臨終から

「草木も眠る丑三つ時」といいますが、この午前二時前後に亡くなるかたは多いですね。月の満ち欠けで月の引力は、海面に影響を及ぼし、潮の満ち引きを作り出しますが、その影響かどうかは分かりませんが、葬儀社もこの時間帯に人員 を厚くする傾向がございます。

覚悟を決めたご家族は、いつなんどきでも駆け付けられる交通手段は確保しておく事が大切です。また遠方の親族の方には逐次経過報告ちくじけいかほうこくをしておくこともお忘れなく

ご本人様は静かに最期の時を迎えようとするいま、駆け付けた皆さまは、穏やかにその時を受けとめなければなりません。

危篤の場合緊急性が強いため、たとえ真夜中であってもご連絡されるべきです。但し〖このような時間に大変申し訳ございません〗の一言は付け加えることも大切です。

臨終

死亡宣告

ご自宅でお亡くなりになられましたら、直ちにかかりつけのお医者様に連絡を取り死亡確認と死亡診断書を作成して頂きます。万一かかりつけのお医者様がいない場合には、最寄の警察への連絡となります。

死亡診断書が発行されるまでむやみに故人様の寝姿勢や移動をしてはいけません。検死に影響を及ぼすからです。検死はあくまで事件性があるか無しかの判断です。

病院でご逝去された場合、長い時間留めることのできない場合がほとんどなので、事前に搬送先を家族で話しておくことが大切になります。諸事情でご自宅が無理な場合には、その旨葬儀社に伝えすれば、適切な方法を提案してもらえます。

理想とすれば、ご臨終までには葬儀社の選定は終わせておきたいところです。

臨終になられましたら、病院から自宅(霊安室)への搬送をしなければなりません。病院で葬儀業者を紹介したりもしますが、事前に葬儀業者の手配をしておくことも大切です。慌てて狼狽うろたえないで済みます。

臨終の知らせを受けたかたは、ご本人・遺族が〖会いたい・会わせたい〗そう思われたのです。取るものも取り敢えず、病院もしくはご自宅に急ぎましょう。呼ばれたあなたは、遺族にとって特別な人なのです。

一目本人様を確認されたら長居はせず、〖葬儀の日程が決まりましたら、いつでもご連絡ください。〗〖お手伝いできる事があれば申しつけ下さい〗障りのない挨拶で引き揚げましょう。

自宅弔問

親戚の訃報の知らせを聞いたら、先ずは遺族のご家庭に弔問に伺います。但し遠方である場合や、健康面・年齢面で不安がある場合には、電話でのご挨拶に留めても失礼にはなりません。

葬儀の日程・時間・場所を確認して、参列できるか否かを伝えましょう。また参列する場合、何人でお伺いするかもお伝えすると親切です。

ご親族はできる限り、遺族を支援する事を考え、負担を掛けない様にします。お供物・ご供花を出す場合にも、遺族が手配した葬儀屋さんと連携を取り、どんなお供物が良いかを尋ねる配慮も大切です。

宿泊が必要の場合には、式場から近い旅館・ホテルを予約しましょう。ご遺族に手間をかけさせずに、ご自身で手配することも大切な要因のひとつです。

ご葬儀に参列できない場合には、挨拶文を添えた現金書留をお送りしましょう。

また加えて弔電の手配が出来れば満点です。

搬送

病院・施設等でお亡くなりになりましたら、自宅若しくは霊安室に移動しなければなりません。法律的には、医者からの死亡診断書を一緒に携えれば、ご自宅のお車で移動も可能ですが、少し無理がありますよね?

一般的には、葬儀社・搬送業者が専門に行ってくれます。病院でも葬儀社の手配はしてくれますので、事前に葬儀社を決めていない場合には搬送のみをお願いする事も出来ます。

搬送と葬儀は全く別ですので、搬送イコール葬儀までお願いしなければいけないとの判断は間違いです

搬送業者は故人をご自宅のお布団迄お運びする業務となります。

枕飾り 

自宅安置

ご自宅に戻られましたら、故人様を北または西向きにお寝かせしましょう。神棚があれば半紙などで封印します。(キリスト教には向きの作法はありません)

唇を湿らす程度で良いので末期の水を差し上げます。

布団は故人に熱がこもらないようタオルケットなどをご用意ください。掛け・引き布団を厚くして熱がこもるようなことには気を付けてください。

枕飾りには三香(線香・灯明・一輪の花)をお供えします。また胸元には守り刀を半紙に巻いて供えましょう。

腐敗防止処置は葬儀社さんで行いますので指示に従ってください。

死に化粧

故人様をできる限り生前のお姿に復帰させる施しです。髪を整え・爪を切り・髭などもそり・薄化粧を施します。

支度が整いましたらお顔に綿か絹の顔覆いをお掛けしましょう。

遺族以外の方はむやみに顔覆いを外してはいけません。遺族様より顔を見てあげてくださいとのお言葉があって初めて顔覆いを外してお顔をご覧ください。

死に装束

旅立ちの正装と考えて下さい。前合わせは生前の時と反対にします(あの世では鏡のように物事が全て逆になるとの考え方からです)

近年では白装束(経帷子きょうかたびら)ではなく生前お気に入りの着物・ドレス・背広といったお召し物でお見送りするケースも増えてきました。

死に装束を一般の方がお着せするのは甚だ困難ですので、業者の方にお願いします。但し御身内の方は側に寄り添い見守りましょう。

死に装束は旅支度の正装です。四国巡礼の衣装を想像してください。手には手甲・足には脚絆をお付けし、杖を傍らに供えます。

昔は額には三角の天蓋てんがいを付けましたが、現在はお付けすることはほとんどなくなりました。

納棺 

納棺

お棺は故人にとっての船であり家とお考え下さい。納めるとき少し窮屈に感じますが、日本の火葬炉の関係もございますのでご辛抱願います。

お棺には故人の大切にしていた品々(副葬品)も一緒に納めてあげてください。但しメガネ・金属類などは差し控えましょう。

生前心臓にペースメーカーを装着された場合には、事前に葬儀社にお伝えください。火葬炉の中で爆発する恐れがございます。安全確認のためです。

通常出棺までに納棺を終わらせておきます。

枕飾り・お焼香の準備は葬儀社にお任せしましょう。ここまでの料金は,搬送料金を含め〇〇コース・〇〇プランに含まれています。(長距離搬送の場合、別途料金が発生します)

出棺

寝台車

ご自宅からの出発です、式場に向かうにしても・火葬場に向かうにしろ外まで出てのお見送りをお願いします。お棺は近親者の方のお手を多くお借りしてお車までお運びします。

遺族・お友人の皆様の服装は普段着のままでかまいませんが、地味な服装を心がけましょう

ここまでで不明な点や疑問がございましたら、個別にご回答申しあげますので下記の問合せからお進みください。速やかにご回答致します。

【参考;危篤から四十九日法要までの日程は】

葬儀開式からご収骨まで

葬儀マナー

飾り付けられた祭壇に故人様を搬送して、祭壇中央にご安置されてからいよいよ始まる葬儀式。参列者から賜った供花の札のご芳名は間違いないですか?

参列者に故人のお顔を見て頂くようになさいますか?事前にご葬家で判断願います。受け付けなどをお願いした方々に事前に労をねぎらう言葉をお掛けしましょう。受付をされる方たちが遺族の代りに活躍されるのです。

挨拶

葬儀では、遺族の方が参列者に対して個別に挨拶されなくとも無作法にはなりません。葬儀の目的はあくまでも故人様に対する冥福が最大の目的であります。

また参列者も個別の挨拶を求めることはこの上ない不調法となりますのでくれぐれも慎みましょう。

もし挨拶を交わすとしても簡潔な言葉にします。

『このたびは誠にご愁傷さまでございました』

『本日はわざわざのお運び頂きまして有難うございます』

この程度の挨拶に留めましょう。詳しくは下記のページをご覧ください。

席次

席次

葬儀の際の席の位置は、祭壇に向い右側に遺族席・左側が参列者席となります。これは全席前向きの場合です。

遺族席

祭壇前の席を向かい合わせにして、遺族・親族様の席を人数分確保したうえ、後方に参列者の席を前向きに設置した場合には、右に遺族席・左に親族席となります。後方の参列者様は左右関係なく着席して頂きます。

喪主様は開式時間の10分前には定められた席に着座されますように!周りのことや参列者様が気がかりで歩みを止めない方もおりますが、故人様を優先にして落ち着いた態度を示しましょう。周りの事についての配慮は全て葬儀社のスタッフが承ります。

お香典と返礼品

返礼品  会葬礼状

葬儀の際記帳受付にて、お香典をお受けするのですが、即日返し(本来は四十九日・忌明け法要が済んでから)で香典返礼を行うとき、その場でお品をお渡しするのは控えましょう。

参列者の手荷物が増えるとその後行われるお焼香(献花の場合もあります)・お清めのとき大変差し障りが生じますので、引換券をお渡しします。

引換券はお香典の金額にかかわらず1つに対して1枚です。預かってお香典をお持ちになる方もいらっしゃいますので、お香典の数だけ引換券はお渡しします。

尚〇〇一同で参列された場合、引換券は1枚で構いません、但し人数分の清め塩を同封したご会葬礼状をお渡しします。

参列者がお帰りの際に引換券と返礼品を交換いたします。その際『お手荷物ではございますが、こちらをお持ち帰りくださいますように』などの言葉を添えましょう。

返礼品の受け渡しは基本受付担当者の役目になりますので事前にお願いをしておきましょう。

返礼品の金額の目安は、(集った金額÷香典の数=約6,500円)平均額の半値として3,000円前後のものが選ばれています。

例え1万円のお香典を頂いたとしても、即日返しで終わらせることができます。それ以上の金額の方には忌明け法要後に改めてお返しをお考え下さい。
【参考:香典・香奠とは、頂く意味と返礼の意味、予算と種類も含め解説

お清め

 

精進料理

お焼香(献花)が終わりますと、順次お清め所にお進みいただきます。お清めされることは、故人様へのご供養にもなりますので一口でも箸をお付けください。

但しお腹を満たす目的でないことだけは認識ください。お清めのお酒を呑まれ過ぎる方をときたまお見受けしますが、著しいマナー違反と受け止められますのでご用心ください。

近年お香典をご辞退するご葬家も増えました。香典を辞退されてもお清めの準備がなされ案内されたときは、ご葬家のご意向に従いましょう。

出棺(お花入れ)

葬儀/告別式が終了すると遺族が最期のお別れをします。

故人に手向たむけられた祭壇のお花を、家ともなり舟ともなる柩の中に遺族の手により納めて頂きます。

故人の趣向品や好きな衣服も収めてあげましょう。貴金属・カーボン等はお遺骨を傷つけますので避けて頂きます。

お花入れがお済になりましたら、遺族・ご友人様数多くの方に柩をお持ち頂き、霊柩車へとお納めください。

※地域により告別式の朝、火葬を済ませお遺骨にて葬儀を執り行う場所もございます。

松本さん松本さん

荼毘(だび)への列は僧侶・喪主・遺族・親族・参列者の順になります。

お位牌は喪主様がお持ちになり、次に準じる方が遺影をお持ち頂きます。

松本さん松本さん

火葬所に到着しましたら、炉に故人を納め、位牌・遺影を火葬炉前にお飾りします。

火葬炉前でお焼香をして頂きます。僧侶が正面から脇に移動したら、喪主様より焼香して戴きます。

※地域の火葬炉にもよりますが、お酒を備えたり、花束を供えたりしなければならないところもございます。

お収骨(お骨上げ)

収骨

火葬所により火葬時間に差はありますが、約60分~90分が多いようです。

お遺骨はお二人で一つの遺骨をお箸で挟み骨壺に納めます。一人一回で結構です。

地域により火葬時間中に精進落としを済ます場所もございますので、地域風習に準じましょう。

※ご収骨を終えますと、遺骨・位牌・遺影の順となります。

葬儀後の法要

【初七日法要】

亡くなった日から数えて7日目に行う法要です。現在では、葬儀の当日に(繰り上げ初七日)として済ませてしまうケースが増えています。葬儀当日に行わなかった場合は、親族を7日目にお集まり頂き法要を行い会食します。

火葬後直ちに埋葬を行う地域もあり、地域によって異なる風習がありますので、地域風習に従いましょう。

あなたが、遺族でなく親族であった場合に知っておきたいマナーは、初七日が改めて行われる場合には、改めてお香典をご用意しなければなりません。これは忌明け(四十九日)法要でも同じです。 

精進落としから忌明けまで

僧侶の参列した場合は、上座になります。

この場から遺族は下座になります。

遺骨・位牌・遺影を上座祭壇に安置します。

参列頂いた方の中から、代表の方に献杯(けんぱい)のご発声お願いします。

祭壇に杯を用意し、お酒を注ぎます。また全員にお酒を注ぎ、ご発声を待ちましょう。

あいさつが終わり、献杯の発生を合図に軽く杯を捧げ一口杯を口に含みます。

乾杯(かんぱい)の時のように、杯を合はせたりすることや、拍手は慎みまし。

葬儀にまつわる豆知識

遺族とは家族。生計を共にした配偶者。子供。父母。(1つ屋根の下)
親族とは血縁の人々の総称。血族。血縁関係。親戚。6親等内の血族

【参考;厚生労働省・親族図形

 

弔電の送り方

弔電は故人にではなく、喪主様に対して送るものですので、喪主様から見た故人との続柄になります。弔電には敬称を忘れずに記しましょう。

例夫が亡くなり、妻が喪主の場合  ご主人様のご逝去の報に、、、、、

父親 ⇒ ご尊父様息子 ⇒ ご子息様
母親 ⇒ ご母堂様娘  ⇒ ご令嬢様
夫  ⇒ ご主人様兄弟 ⇒ ご令兄様・ご令弟様
妻  ⇒ ご令室様姉妹 ⇒ ご令姉様・ご令妹様